2017年度 理事長所信

第39代理事長 田邊 義文

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まほろば大和の創造

2017年で39年目を迎える一般社団法人大和青年会議所が、創設より志を立て会員に脈々と受け継いできた長期的展望であります。まほろばとは「素晴らしい場所」、「住みやすい場所」という意味の古語であります。また、日本神話に架空の人物として登場する大和武尊(ヤマトタケルノミコト)が詠んだとされる「まほろば」の歌では、当時王城の地として定められた畿内、大和の地を国のまほろばと称えています。

では「素晴らしい場所」「住みやすい場所」とは、どのような場所でしょうか。私はその地に生活を営む老若男女を問わず全ての人々が住みやすい環境の中、共に認め合い助け合い生き生きと過ごす場所だと思います。私達一般社団法人大和青年会議所は、「まほろば大和の創造」という大きな目標に向かってその歩みを愛する大和と共に進めていきます。

昨今、競争原理の導入によって社会の効率化を図り淘汰によっていいものを残していくという市場原理主義の考 え方が日本経済及び世界経済を席巻しております。市場原理主義は金融市場を中心に短期間で莫大な富を築く勢 力がいる一方、大量生産・大量消費を背景に徹底したコスト削減による価格競争の波に飲まれ、採算性は合わずとも本来受け継がれていくべき日本のモノづくりの文化が失われつつあります。

私達は短期的な経済合理性に基づいて限りある人生を過ごしていいのでしょうか。経済論理偏重の思考のもとで、私達は豊かな生活を過ごしていると言えるのでしょうか。大和市は神奈川県内で2番目に高い創業率を示しており、商工業において高い潜在能力を有しています。その一方で住みやすいまちづくりを推進した結果、大規模工場や企業を誘致することが難しい側面を有しています。

今後市内の経済基盤をより強固にしていくためには、大和の魅力を再発見し大和から発信していくことが大事だと思います。私達大和青年会議所は「Y―1グランプリ」や「串フェス」の主催により大和の新たな魅力の創造に取り組んできました。これからも大規模流通小売業ではできない地域発信の事業を 地元飲食店と協働で開催していくことにより、身近な商店街を活性化させ大和の魅力を発信していきます。

私達は社会的に責任世代と呼ばれる世代です。私達は家族に対して、仕事に対して、地域社会に対して多くの責任を果たしていくべき世代です。その中で私達は今、次代を担う子供たちに何を伝えていくべきでしょうか。昨今、利己主義が横行し他者への無関心が社会問題化している現状において、人を思いやる大切さが希薄化していると思います。IT技術の格段の進歩によって様々なことが高度に機械化され、人と人との体温を感じるコミュ ニケーションが減少しています。その傾向は次代を担う子供たちの世代においても同様です。その結果、学級崩 壊や犯罪の低年齢化などの新たな課題が浮き彫りになっています。

私達は今こそ、次代を担う子供たちに大和の魅力と人との触れ合いを通じた思いやりの大切さを伝えていくべきだと思います。大和市内には6つの森やスポーツセンター、大規模公園等が点在しております。また大和市内は鉄道や幹線道路等の交通インフラが整備されていることから市内各所へのアクセスは比較的容易です。自然に触れる機会や運動することが可能な環境は大和の魅力の一つであり、健康都市の創造を目標とする大和市の特色だと思います。

私達大和青年会議所は、恵まれた自然や施設を活用し青少年事業として「泉の森へGO」や「スポーツ鬼ごっこ」などの事業を行ってきました。自然の中や施設の中で体を動かし、体温の通った交流を促進していくことで他者との協調性を育んでいく機会を積極的に提供していきます。協調性を育むことは他者への思いやりの基盤に繋がりその結果、孤独感を感じる子供たちは減少していくと思います。私達大和青年会議所は青少年事業を通じて思いやりの大切さを発信していきます。

今後予想されている少子高齢化の進行は日本全体が抱える課題の一つであります。少子高齢化の進行により労働人口が減少し、産業界全体の活力が失われつつあります。また、都市部に集中する人口構造は都市部と地方部のあらゆる格差を生み出し、過疎化の進行を加速させる要因となります。

一方、私達大和青年会議所の活動基盤である大和市は現在人口23万人を有し、過去50年を遡ると県内市町村の中でもトップクラスの人口増加率を実現しています。都心部への交通アクセスの良さ及び比較的平坦な土地で自然災害の危険性の少なさからベッドタウンとして位置付けられており、流入人口が流出人口を上回る社会増を実現している数少ない市町村です。健康 都市宣言を目標として掲げていることにより、他市町村に比べて医療・子育環境が充実しています。

そのような生活環境の中、高い出生率と反比例し第2児出産割合は他市町村と比較して低い状況となっています。このことは多くの母親が労働力として社会で活躍している地域であると言えると共に、今後の少子高齢化社会の到来を見 据えると、家庭内での父親の共助共演の促進及び女性のワークライフバランスを見直す必要があると考えます。私達大和青年会議所は会員自らの家庭内で率先して共助共演を実践し、時代のニーズに応えた家庭像を模索していきます。


「仲間と過ごし 仲間を思い 仲間と共に成長する」。

私達JAYCEEは会員として活動できる年齢は40歳までという期限があります。限られた時間の中で私達には多くの学びがあり、多くの出会いがあります。自らの仕事・家庭を両立させながらの青年会議所活動は、時間的制約のもと、時に寝食を忘れ様々な課題に立ち向かっていくことがあります。

一人では成し得ない事業を仲間と共に進めその結果、会員各々の思いを込めた事業を実行していきます。青年会議所活動を通じて学んだことや仲間の存在は、私達のこれからの人生において貴重な財産となり得るものです。私達は自らの組織を活性化させると共に志を分かちあう仲間との新たな出会いを大切にしていきます。その結果、更に多くの可能性に溢れた魅 力ある組織へと生まれ変われると思います。

私達は日々「仕事」をして生計を立てています。責任ある仕事に従事する上で日々の仕事に追われることもあります。また、経営者・マネージャーだからこそ身近に相談できる相手がいなく一人で苦悩する日々もあります。

だからこそ、私達は「志事」をすべきだと思います。「仕える」ではなく「志」を持って事にあたることが大事だと思います。青年会議所活動でも同様ではないでしょうか。私達一人一人の「志」の結集が形となり私達の地 域に還元され、私達自身も地域と共に成長できるのだと思います。まずは自らと真摯に向き合い、自らの「志」を持とうではありませんか。可能性とは、あきらめてしまえば有限である一方自らがあきらめない限り可能性は無限に拡がっています。「まほろば大和の創造」に向かってまずは、志と共に第一歩を踏み出そうではありませんか。

「人間は誰でも、世の中で最も素晴らしい場所を夢に見、創造することはできる。設計し建設することもできるだろう。しかし、その夢を現実のものにするのは人である。」

地域を変えるのは、私達の志です。心を一つにして共に頑張っていきましょう!